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世界中で急増するメタノール中毒は新型コロナ騒動の弊害!

新型コロナでどうしてメタノール中毒者が急増するのか?メタノール中毒とはどんな危険性があるのか?海外の事例がほとんどですが、他人ごとではありません。メタノールの知識がなく誤用すると深刻な健康被害が起こり死亡しますので、、メタノール誤用、誤飲の危険性を認識して下さい。

メタノールとは何か

メチルアルコールとも呼ばれ、アルコールランプの燃料や製品の洗浄など工業利用される溶剤です。

アルコールの一種ですが、間違っても飲んではいけません。蒸発した気体を多量に吸引するのも危険です。

飲むと失明する事から「目散るアルコール」と、子供の頃祖父から脅されて聞いたことがあります。

戦時中に物資が不足し、酒税の適用も受けない事から、メタノール入りのエタノールが注目されました。

メタノールを完全に抽出する事が出来ていないまま飲用したことで、多くの死者が出た歴史が日本にもあります。

普通のお酒の10分の1程度で死に至る事があるらしいので、ちょっとでも誤飲したらかなり危険です。

ちなみに飲用可能なアルコールはエタノール(エチルアルコール)ですが、飲料用として提供されている物以外を飲用するのは危険です。

新型コロナでメタノール中毒が急増した訳

中東の国イランでも新型コロナが蔓延し、都市封鎖、移動制限、外出制限が敷かれる事態に陥りました。

医療体制がひっ迫してくると、十分な手当てや治療が行われない「医療崩壊」を迎え始めます。

そんな中「高濃度のアルコール飲用が体内のウイルスを死滅させる」というデマが流れたそうです。

医療崩壊状態において、こんな尤もらしいうわさ話が流れると、下戸の人でも飲もうかと言う気になるのが人情です。

みなが一斉に飲用アルコール(エタノール)を買い求めると、店頭の在庫はすぐに底をつきます。

そうすると悪徳業者が台頭し始めます。エタノールにメタノールを混ぜて嵩増しした「死の酒」がイランの人々を蝕んだのです。

どうして中毒になるのか

私達が良く飲む酒類はエタノールで、程よく嗜む分には気分が良く、料理の味も良くしてくれます。

摂取されたエタノールは、肝臓から出された酵素と水分で分解され、アセトアルデヒド、酢酸に分解されます。

急性アルコール中毒になるほど急激で多量の飲酒をしない限り、大きな危険性はないでしょう。

一方メタノールですが、誤飲すると同じく酵素で分解されますが、酢酸ではなく、有害な「ギ酸」が産生されます。

目にはアルコール脱水素酵素が多くあるので、大量のホルムアルデヒドに変換され、次にギ酸に変換されます。

ギ酸は皮膚や目に有害なので、メタノールを誤飲すると視力を大きく落とし失明するのです。

メタノールが出回る訳

最近の事情としては新型コロナ対策になるとのデマ→飲料アルコールの逼迫→密造酒の横行です。

日本では消防法や毒物及び劇物取締法などで厳格に取り扱われますが、法整備と取り扱いが不十分な国もあります。

メキシコやドミニカ共和国などで、密造酒と知らずに酒を飲用した海外旅行者が被害に遭う事例もあります。

アルコール飲用が厳に禁じられているイスラム教の国では、闇市で密造酒を手に入れるしかない場合もあります。

仮に密造酒であってもメタノールの混じりけがないお酒を売ればよい物を、嵩増しさせるから悲劇が起きます。

最後は造る人、売る人の人権意識、道徳心、善良さに依存している事が良く解かりますね。

それでも飲む人がいる

デマは関係なしに、新型コロナでアルコール消毒液の需要が爆発し、小売店から消えてなくなりました。

飲料用アルコールが手指消毒に転用され始めると、飲むお酒が十分に行き渡らなくなります。

でもそれだけではないのが外国です。日本と違ってロックダウン(都市封鎖)をして外出制限を強いました。

酒造メーカーで働く人も外出制限に遭うので、職場に行くことができず、飲料用アルコールの製造が滞ります。

こんな時にアルコール中毒患者が我慢できる訳もなく、ダメだと解っていても「死の酒」に手を出すのです。

完全な工業用アルコール(メタノール)や手指消毒液、車のウォッシャー液でさえ飲む人がいるそうです。

メタノール中毒事故例

日本・・・1933年密造酒で死者30人以上

イタリア・・・1986年死者22人

中国・・・1998年中毒者400人以上、死者30人以上

韓国・・・1988年死者1名

インド・・・2011年中毒者100人以上、死者140人以上

ベトナム・・・2008年死者20人以上

インドネシア・・・2009年死者20人以上

ロシア・・・2014年中毒者12人、死者14人

2016年入浴剤を酒代わりにして死者49人

イラン・・・2020年デマを発端に発生。中毒者5000人以上、死者500人以上

リビア・・・2013年中毒者400人、死者50人以上

ケニア・・・2000年中毒者1000人以上、死者134人以上

ウガンダ・・・2010年中毒者100人以上、死者89人以上

 

メタノールが混入された密造酒や変性アルコール飲用による事故ならわかりますが、入浴剤を酒代わりに飲むとは・・・

もしかするとロシアの経済情勢は相当悪く、庶民の暮らしぶりは悲惨を極めているからなのかもしれないですね。

またメタノール中毒はかなり判別しにくいそうなので、上記は氷山の一角と言う理解が正しいのでしょう。

みなさん気を付けましょう

そんなこと言われなくても、密造酒なんか飲むことはないし、危険性も判っているから大丈夫だと言われそうですね。

でも東南アジアへ旅行に出かける人が増えていますが、ベトナム、インドネシアでも事故が起こっていますよ。

大手酒造メーカーが供給する酒類なら大丈夫ですが、開封して出される酒には注意しましょう。

このような提供方法をする店は、日本にもあるのではないでしょうか。この点は十分に留意すべきです。

メタノール中毒の逆の話

日本でも酒造メーカーが高濃度アルコールを製造して、消毒用アルコールの供給が足りない市場を助けてくれました。

アルコール事業法は、飲料用酒造メーカーが、消毒用アルコールを製造する事が規制されています。

しかしその酒造メーカーはこう言いました。「あくまで飲料用の酒ですが、高濃度なので消毒にも使う事が出来ます」と。

法律面ではグレーゾーンに入っていますが、善意しかない転用を誰も咎めず、心意気を称えました。

中毒被害を起こす違法酒類が消えてなくなり、社会や人々が助かる正規物か善意の転用物だけになって欲しいと願います。

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