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新型コロナで騒ぐ中、アメリカのインフルエンザ死者数は2万人を超えていた

緊急事態宣言解除後に再び感染者が増え始めた新型コロナウイルス感染症への警戒が続きますが、日本でのインフルエンザ罹患者は毎年1000万人前後出ます。その中でアメリカのインフルエンザ死者数は2万人を超えているのは何故なのか。

日本のインフルエンザ患者数

2015-16期→約1000万人

2016-17期→約1000万人

2017-18期→約1400万人

2018-19期→約1200万人

2019-20期→約730万人

日本のインフルエンザ罹患者数はこんなにもいるのですね。1000万人を超える年は珍しくありません。

2019-20期は昨シーズンに比べて470万人少なく、さらに一昨シーズンに比べると670万人減っています。

それでも730万人というと、横浜市や大阪市の人口よりも多い数字である事に驚きます。

今期のインフルエンザは少なかった

年によって患者数が増減する事は不思議ではありませんが、なぜ大きな増減差が生まれたのでしょうか。

今期はいわゆるピーク期に患者数が増えず、なぜか低く抑えられた特徴があります。

ピーク期とは患者数が増え始める12月から、それが続く2月初旬まで時期の事です。

今期はこのピーク期における患者の報告数が3分の1以下にとどまる傾向にありました。

暖冬で雨が多かった

暖冬傾向であった事から雨が降る日が多かった事が挙げられるでしょう。

大陸性高気圧よりも太平洋高気圧の勢力が強いと、南の空気が入りやすいですね。

湿度が高い南に空気が入り込みますから、必然的に雨が降りやすくなります。

湿度が高い南の空気に、降雨による加湿がインフルエンザウイルスは不活性だったのです。

新型コロナウイルス対策が効いた

1月中旬に日本では初めての感染者が確認されてから、一気に危機意識が高まりました。

新型コロナウイルスに罹患しないためには、どう行動し、どんな対策を講じたらよいのか。

連日のように、どのテレビ局もこぞって報じる事で、手洗い、うがい、マスクが浸透しました。

3つの密<密接、密集、密閉>を避けなければならない、避ける事が有効だとも知りました。

奇しくも新型コロナウイルス感染拡大状態が、インフルエンザウイルス感染防止に役立ったのです。

もし人々が無頓着で無防備であったら、やはり今年も1000万人以上の患者が生まれていたでしょう。

新型コロナウイルスの感染状況も、現在の報告数の比ではない数が発生していたでしょう。

日本でのインフルエンザ致死率

月次や年次、地域、世代でも異なりますが、およそ0.02%の人がインフルエンザで命を落とします。

直近5年の平均的な日本の罹患者が1000万人だとすると、2000人が亡くなっているのです。

インフルエンザに罹患した事があり、重症化することなく快癒した私には驚きでした。

インフルエンザに罹ると38℃以上の高熱が出て、解熱剤では下がらないので診察を受けます。

タミフルやリレンザを処方してもらうと、今までの高熱が嘘のように下がっていく経験をしました。

罹患者のほとんどは、処方された薬を飲むと快癒して死ぬことはないと感じました。

それでも死に至るという事は、よっぽど放置したか、薬を飲んでも勝てなかった高齢者でしょう。

また基礎疾患を持つ人は、健常者よりも免疫力が劣る場合があり、複合要因で危なくなると考えられます。

2万人の死者が出たアメリカ

日本は2000人、アメリカは20,000人。死者数で比べると10倍の開きがあります。

単純な死者数だけで比較する事は出来ないので、人口の総数を基に考えてみます。

日本は1億2600万の人々が、アメリカは3億6000万の人々が暮らしています。

アメリカの人口は、日本の人口のおよそ3倍であることが解ります。(カウントされない在留外国人を除きます)

もし日本の人口がアメリカと同じ3億6000万人だとすると、インフルエンザ死者数は6000人になります。

でもアメリカではインフルエンザ死者数が20,000人ですから、3倍多い事になるのです。

なぜアメリカで3倍の死者が出るのか

確たることを知るには医学的見地における綿密な調査が必要で、コロナ禍の今、それをしている暇はないでしょう。

世界の覇権国、世界一の経済大国アメリカで、GDPで中国にも抜かれた日本よりも多い現実。

インフルエンザウイルスは毎年変異するので、今年の物は毒性が高かった可能性が考えられます。

でも実は3年前、アメリカのインフルエンザ死者数は、なんと60,000人を超えていたのです。

3年前の日本では1400万人の罹患者で、致死率での死者数は2800人に留まります。

日本よりも3倍多い人口のアメリカ人口ベースに整え直しても、8400人に留まる話です。

7倍以上の開きがある3年前のインフルエンザ死者数だけで比較する事は出来ません。

平均的な年を基準に考量しても、世界一の経済大国アメリカの実情がこうも脆弱な物かと感じます。

医療保険の差ではないか

ウイルスに感染するメカニズムは、疫学者や医学者でも未解明な領域が多く、明言することが出来ないようです。

ウイルスに感染しても免疫力が強い人は、全く発病することなく、普通の毎日を過ごします。

一方、免疫力が低い人は、中等症から重症化、最悪の場合は死に至る事になります。

自分の免疫力がどの程度かを認識する事は難しく、流行るウイルス感染症の毒性にも因るのです。

重症化や致死を回避するためには、初期症状の段階で医療診断と処置を受ける事が望ましいのです。

私たち日本人は「国民皆保険」があるので、少ない負担で医療診断を受ける事が出来ます。

「国民皆保険」制度がないアメリカでは、医師に診てもらうには、高額な負担が強いられます。

医療保険制度の違いによる費用負担が大きいと、「医師に診てもらっておこう」と言う動機が薄れます。

実際的な金銭事情から、「診てもらいたいが二の足を踏む」のが現実ではないでしょうか。

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