今年は中国産マツタケが日本に入って来る量が相当減っている。新型コロナの影響で各国の国際線が100%近く減便になっている事で日本への輸出量が減り、中国国内では自国消費に躍起になったことで、品薄と価格高騰が常態化する可能性があり、庶民は中国産マツタケも味わえなくなるのか。
新型コロナが強制遮断
新型コロナと言うウイルス感染症は、100年前のスペイン風邪以来、世界中をパンデミックに陥れました。
100年前のスペイン風邪を物心ついた状態で覚えている人はいないので、大混乱になるのも無理はありません。
各国の首脳や為政者は懸命に新型コロナ対策を行いますが、経験がない事なので手さぐり状態になります。
世界中の人々は移動制限を強いられ、国内における都市間だけでなく、国境を跨ぐことができなくなりました。
新型コロナで変化した事
一言で言い表す事は難しいのですが、今までの日常が、ある日突然に非日常に変わった事でしょうか。
細菌類よりも100分の1の大きさのウイルスは電子顕微鏡でしか見えず、どこに居るのか判りません。
高齢者や基礎疾患を持つ人を中心に若者でさえ、急速に悪化して死亡する報道を聞くと、皆警戒します。
ウイルス感染症の蔓延を認識した人々は、今までの行動を一変させ、経済活動に多大な影響が出ました。
職場に行かないリモートワーク、人口密集地から過疎地域への移住や外食制限、外出自粛になりました。
人々における未知との遭遇は、今まで普通に行っていた生活様式を、一気に変えてしまったのです。
中国産マツタケの輸出不振
世界各国の国際線飛行機がほぼ100%近く減便されて飛ばない以上、中国も日本へ輸出できなくなります。
中国にとって、日本で収穫されなくなったマツタケ(農産品)の輸出は、格好の外貨獲得方法の一つです。
是が非でも自国で収穫した農産品を買い受けてもらえるべく輸出を継続したいはずに決まっています。
でも新型コロナウイルスの感染拡大がそれを阻み、中国国内業者は消費先を模索するしかなかったのです。
模索先はどこなのか
中国産のマツタケを輸入できないのは、日本だけではなく、世界各国とも同じ事情にあるのです。
では国内で収穫したマツタケはどこに向かうのでしょうか。それは国内しかないことは自明の理です。
主な輸出先であった日本への出荷が止まった状態になっているので、その矛先は国内に向かいました。
中国の変化は無視できない
矛先が中国国内に向かったマツタケ供給は、中国人がマツタケを食べるようになった事です。
中国国内で食べられることがなかったマツタケは、出荷業者の懸命な努力によって中国人が食べ始めました。
生の新鮮な食材をそのまま食べる事が出来る地域は、地理条件や気象条件から世界中で異例です。
鍋料理文化は東南アジア地域で多く見られるのは、暑い気象条件と高度な温度管理、衛生管理が行き届かないからです。
でもマツタケは、収穫してから消費者の口に届く時間が短ければ、美味しく頂く事が出来ます。
マツタケの味を知った中国人
山に入って収穫しても、今までマツタケを食べる事がなかった多くの中国人に供給が始まりました。
中国人がマツタケを美味しいと感じるか、季節の味覚と感じるかは別ですが、食べ始めたのは事実です。
今までよりもマツタケを食べるようになる中国人は増えるはずで、それが習慣化したら単年では終わりません。
毎年毎年マツタケ物価は上がって行くはずなので、中国国内の物価は日本での供給価格に早晩影響が出るでしょう。