よく「学」ぶ

冷凍食品の袋「はんぺん」が冷凍庫でパンパンに膨らんでいた理由は

冷凍庫で冷凍食品を保存している方が多いと思いますが、その袋がパンパンに膨らんでしまった経験をしている方が多いのではないでしょうか。どうして膨らむのか謎に思いながら、その理由を知らずに来ていますが、知ると新鮮なうちに食べるべきだと思うようになり、食品の衛生管理に役立ちます。

食品の袋が膨らむ例

高い山に登り、リュックの中から取り出したポテトチップスやパンの袋が膨らんでいた事を経験した人がいると思います。

私は、飛行機の中で開けようとしたお菓子の袋が、パンパンに膨らんでいた経験をしたことがあります。

世界一高いエベレスト山(チョモランマ)よりも高い所では、地上に比べて100%気圧が低下します。

低い気圧が原因

標高が0m(海抜0m)の位置における気圧は1気圧ですが、標高が高くなると気圧は下がって行きます。

実際にどれだけ気圧が下がるのか?1000m上がると気圧は約10%下がります。3000m級の山だと約30%です。

飛行機が飛ぶ高度はジェット機かプロペラ機、目的地までの距離などにより変化しますが、最大で10,000mだとします。

気圧とは、大気による圧力の事で、私たち人間や全ての物に、大気(空気)の圧力がかかっているのです。

その気圧が下がると、圧力から解放される方向になるので、人も物も膨らんで体積が増すのです。

という事は飛行機に乗るとおデブちゃんになるの?体重は増えませんが、目視で判らない程度に膨らんでいるでしょう。

冷凍食品に気圧の変化はない

標高が上がると気温は下がります。真夏でも六甲山頂は下界よりも涼しく感じるのはこのためです。

信州長野県の有名な軽井沢は、真夏でも夜寝る時にエアコンは不要で、大布団を被るくらいです。

つまり、標高が上がって気圧が下がると、気温も下がるイメージになりますが、そうとも言い切れません。

私他の家にある冷蔵庫の一部冷凍庫は、ほぼ地上にあるのと同じで、標高の影響はほぼ無い状態です。

では何故冷凍庫に保存していた食品の袋がパンパンに膨らむ事になるのかが次なる謎になります。

冷凍食品を買う

スーパーマーケットの冷凍ケースには、目移りする程多種多様なラインナップの冷凍食品が並びます。

夏定番の枝豆、海老チャーハン、肉餃子、ピザ、ジェノベーゼパスタ、冷凍うどんなど、挙げるときりがありません。

店頭で買い求めたあと、レジ通過後に無料で貰えるドライアイスや氷を袋に詰めて持ち帰ります。

冷凍食品が温度変化を受けにくい処置をして、足早に帰り着くと、一目散に冷凍庫に入れるでしょう。

冷凍食品が受ける温度変化

スーパーで買った冷凍食品の温度が上がらないようドライアイスや氷で、最大限の配慮をしました。

実際には、常に冷凍庫に入っていた訳ではなく、その季節による気温の影響を受けて温度は上がります。

私達消費者が買い求めた後の温度影響だけではありません。店頭に並ぶまででもそれは起こります。

冷凍食品製造会社の出荷は「冷凍車(運ぶ間も冷凍し続けるトラック)」で、各店舗に届けられます。

届けられた店舗側は、鮮度管理に最大限の配慮をし、納品後には速やかに冷凍庫に収めています。

でもその季節特有の気温による影響を全く受けない訳ではなく、真冬でも多少の影響を受けることになります。

温度変化の影響で何が起こるのか

冷凍食品の製造者、それを流通する配送業者、そして店頭。買い求める私たち消費者のすべてが気を遣います。

供給者から需要者まで気を遣いながらバトンタッチをする冷凍食品が、常温になる事はないでしょう。

しかし冷凍食品の理想的な保管温度は-18℃以下と言われますから、それが守られていない時が生じます。

その季節によって受ける温度の影響は変わりますが、-18℃以下を維持する事は出来ていないのです。

季節による外気温の影響を受けた冷凍食品は、冬でも微妙に温度が上がり、ごく僅かに解けます。

冷凍食品の表面の氷が解ける程度ですが、氷が解けると、それは水分(液体)に変化します。

家庭の冷蔵庫の温度

家庭用冷蔵庫の冷凍庫は、-18℃に設定されていますが、スーパーの冷凍庫よりは高い温度でしょう。

店から家まで持ち帰るまでの間に外気温の影響を受けて発生した水分は、元に戻るのに結構な時間がかかります。

多くの水分は、冷凍庫の中で再び氷結しますが、全部の水分が氷結しない状態も続きます。

膨らみは水分による仕業か

結論を言うとそうです。氷結しなかった水分は、気体に溶け込まれた「水蒸気」として残ることになります。

固体の氷、液体の水分、気体の水蒸気、どれが一番体積が大きいかは、聞かなくても解りますね。

最も体積が大きい気体の水蒸気が残ると、冷凍食品の袋が膨らみ、時にパンパンになるのです。

冷凍庫の実態は

スーパーマーケットに赴き野菜や肉類、魚類などの食材をまめに仕入れ、お母さんは毎日調理をしています。

家族構成や調理メニューによって、冷蔵庫や冷凍庫に保管した食材の消費量は毎日変化するでしょう。

冷蔵庫だけでなく冷凍庫の開閉回数は、気を遣っていても、1日何回にも及ぶのが実情ではないでしょうか。

家の冷凍庫に運ばれる過程だけでなく、そのあとも冷凍食品は、多くの温度変化の影響を受けるのです。

害はないのか

冷凍食品の表面の氷が解けた結果の水蒸気が袋を膨らませていますから、害はないと言えます。

うちの冷凍庫で実際にあった「はんぺんの袋」をよく見ると、賞味期限の日付を見落とせませんでした。

現在2020年9月なのに、賞味期限は「2019年1月21日」でした。まずは、これがダメでしたね。

「賞味期限」と「消費期限」の違いは広く知られていて、十分に食べる事が出来る状態にあります。

食べる事が出来ても、美味しく食べる事が出来る「賞味期限」までに、何回冷凍庫が開け閉めされたか。

その繰り返しが、氷結しない水分を生み、それが水蒸気になって、袋を膨らませていたと考えられます。

実害は出ないと考えられていますが、美味しく食べる期限を超えてしまうと、美味しさは減り続けています。

賞味期限を守る事

「賞味期限」は、その食品を美味しくいただく事が出来る時間を示しています。(正しい保存方法を守る事が原則です)

「消費期限」は安全に食べる事が出来る時間を言います。(「賞味期限」よりも長い期間設定になっている)

その「消費期限」をも超えると、健康管理、衛生管理への影響が出始めるので、由々しい事になります。

製造会社から店舗、そして各家庭に届く冷凍食品は、ほぼ氷点下にありますが、出来る限り早く食べるべきです。

うちのように、「賞味期限」を大きく過ぎてしまったのは、冷凍庫内の管理不足が原因に他なりません。

冷凍食品会社さんだけでなく、食品を取り扱う日本の事業者は、血の滲む思いで管理し供給しています。

食材管理が不十分であった我が家は、冷凍食品会社さんなど食材供給業者様に、申し訳ない気持ちになりました。

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