よく「学」ぶ

シンガポールのデング熱、ジカ熱対策は徹底した「蚊」の発生予防措置を日本人も学ぼう

今年シンガポールでデング熱が大流行してしまったようですが、平素からシンガポールは「蚊」が媒介して広めるウイルス感染症対策を徹底して行っている国です。具体的にシンガポールがどんな対策を講じているかを見ると、我が国日本でも参考になり、簡単に取り入れる事が出来る手法だとわかります。「蚊」をなめてはいけない理由も解ります。

シンガポールってどんな国?

シンガポールは日本人にも海外旅行先として大変人気がある国ですが、東南アジアの暑い国と大雑把な認識です。

古くからはベイエリアのマーライオンは有名ですが、2010年に開業したマリーナベイサンズが人気の拍車をかけました。

そんなシンガポールと言う国がどんな国かを、簡単におさらいして、基礎知識を持っておきましょう。

歴史

日本などアジアの国々だけでなく、世界中から注目を集め、多くの海外観光客を集める魅力あふれる国家。

近隣諸国のタイ、マレーシア、ベトナム、インドネシア、そして我が国日本の歴史に比べるとかなり新しい国です。

かつてシンガポール地域はポルトガルに占領されていた時代や、イギリスの植民地であった時代がありました。

第二次大戦中は大日本帝国が占領し、戦後はイギリスから自治権を取り戻す事になりました。

そしてマレーシアの1州に属する事になりましたが、1965年(今から55年前)に独立して誕生した新興国家です。

国家元首

シンガポールを立国した初代の国家元首はかの有名な「リー・クワンユー」氏で、現在は子息の「リー・シェンロン」氏に代替わりしています。

「リー・シェンロン」氏もそうですが、初代の「リー・クワンユー」氏は辣腕な政治家で、有能なリーダーでした。

目覚ましい発展

2019年発表の総合世界都市ランキングにおいて、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京、香港に次ぐ評価を受けた。

国際競争力はスイスイに次ぐ2位、ニューヨーク、ロンドン、東京、上海に次ぐ金融センターと評価されています。

建国からわずか50年で、世界屈指のグローバル都市に成長発展した、稀有な国家だと言えそうです。

気候

ほぼ赤道直下に位置するシンガポールは熱帯気候にあり、1年中真夏のような気候が続く国です。

真冬は、最低気温が氷点下になる(地域にも因る)事もよくある日本人には、年中常夏の国と言う印象です。

日本が真冬の時に訪問しても、真夏のような気候で、北半球が冬を迎えている事を忘れてしまうくらいです。

人口と国土

シンガポールはインドシナ半島の南部で、マレー半島の先端ジョホールバルを超えた位置にある島国です。

人口は約563万人で、東京都の半分強程度、国土の面積は719k㎡で、奄美大島に近い広さです。

熱帯地方は「蚊」との闘い

私たちが暮らす日本列島には暑さと寒さが厳しい夏と冬、穏やかな季節の春と秋、四季と言うものがあります。

日本人からすれば年中真夏のような熱帯地方のシンガポールにも、日本人が言うところの四季はあります。

でもおそらくシンガポールの人々は、四季の変化を感じる事はなく、いつも同じ気候であると感じているでしょう。

でも日本にはない、大きな気候の変化があります。それは雨期と乾季という、南方特有の大きな変化です。

シンガポールの雨期は11月から3月で、一方乾季はそれ以外の月で、1年を2つに区切る事が出来ます。

熱帯地方の雨期とは

日本にも梅雨や春雨、秋雨などの雨期はありますが、熱帯地方の雨期とは大きく様相が異なります。

雨期に入った熱帯地方は、朝から晩まで雨が降り続けている訳ではなく、雨模様の日が多いと言った状態です。

具体的にどんな状態かと言うと、曇天の日が多く、時間帯を問わず、スコールで知られるにわか雨がよく降ります。

雷を伴う事もしばしばで、予約したホテルで寝ていると、夜中に轟く雷鳴と閃光で目が覚める事がよくあります。

雨水が「蚊」の発生を促す

熱帯地方に位置するシンガポールでは、月から月までのカ月間が雨期で、恵みの雨を降らせます。

熱帯の植物はこれを「慈雨」として、二酸化炭素、水、太陽光を原資として郁郁育ち、ジャングルを形成します。

雨期に降り注ぐ雨水は、至る所に「水溜り」を形成し、植物の繁栄だけでなく、微生物、昆虫などの小動物が育まれます。

自然界だけでなく、人々の生活圏や、都会の一部でも、水溜りがあると、蚊は卵を産み、大量発生し始めます。

なぜ「蚊」をなめてはいけないのか

人が亡くなる理由と原因は様々で、事件に遭遇したことによる、病気を発病したことによるなどがあります。

今のところ内戦や他国からの侵害がない、平和が続く日本では、戦争、戦禍で命を落とす人は少ないです。

「蚊」が媒介して運ぶウイルスは人々の間に感染症を引き起こし、世界中ではなんと「70万人以上」の人々が命を落としています。

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「蚊」は子々孫々与組み込まれたDNAを本能として、動物の血を吸い、その天寿を全うしようとしているだけです。

ただ血を吸われるだけなら無害ですが、感染症を蔓延させるウイルスを宿した「蚊」に吸われたら感染します。

消毒をしていない注射器を使いまわすのと同じくらい不衛生で、「蚊」はウイルス感染を広めてしまうのです。

シンガポールの「蚊」対策

なにせ「蚊」は、水溜りがあると卵を産む習性を持っています。庭のバケツ、タイヤに溜まった水にもです。

一定時間水分が残り溜まる状態を徹底して排除することで、「蚊」の温床を無くして行くことができます。

シンガポールは国立衛生丁(NHA:NationalHeaithAgency)が「蚊」の発生を観測し、職員を派遣し撲滅します。

個人宅を任意ランダムに抜き打ち訪問し、「蚊」の発生源になっている水溜りはないかを確認します。

もしそこに「蚊」が発生する環境が確認できた場合は、個別指導による対処方法を伝え、実践させているとの事。

推奨される対策とは
バケツなどに水を溜めておかない
   花瓶の水は頻繁に入れ替える
   植木鉢に皿を敷かない
   雨どいを掃除し、殺虫剤を適宜撒く
   庭土は耕して硬化させない

日本も「蚊」を警戒しないといけないのか

日本はシンガポールのように熱帯雨林気候ではないので、デング熱やジカ熱が自然発生する事はありません。

マラリアなどの感染症も流行る事はありませんので、あまり「蚊」を警戒する事がないかと思います。

最近はあまり聞かなくなりましたが、「日本脳炎」というウイルス感染症をご存知でしょうか。

コガタアカイエカと言う蚊の仲間が媒介するので、人が刺されたときに感染してしまいます。

感染=発病ではありませんが、稀に脳炎を発症して意識障害やけいれんを引き起こし、死に至る場合もあります。

このように日本でも「蚊」が媒介して起こる感染症があるので、蚊の発生は意図的に抑制すべきです。

年々気温が上昇しているので、日本でもデング熱やジカ熱が国内感染するようになり始めるかも知れません。

私達は新型コロナウイルスとの格闘中にありますが、このウイルスは完全に消えてなくなる事はないでしょう。

これからはずっと戦って共存するであろうし、別のウイルスにも見舞われて、新たな戦いが始まる事もあるでしょう。

やはりウイルス感染症に対する意識や認識を強く持ち、身の回りで出来る対策はきちんとすべきではないでしょうか。

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