新型コロナウイルスが世界中を席巻し都市封鎖や渡航制限が大きくなり、経済活動は停滞、海外からの輸入物資が枯渇しました。その後の各国の対応により国内事情が明暗を分け、様々な憶測が飛び交いますが、都市封鎖もしない日本が何故新型コロナウイルス対策に成功したのか脚光を浴び、世界中からの評価が高まった事が総論ですが、各論を見て行きます。
行きたい国ランキング
新型コロナウイルス禍が収束したら、旅行したい国はどこか、欧米豪アジアの12の国と地域の人々に問いかけました。
そうすると日本がナンバーワンで、2位が韓国、3位が台湾と言う、アジアが総なめの結果になったそうです。
その比率を見てみると、日本に行きたいと言った人が46%、韓国は22%、台湾が17%で、群を抜いています。
行きたい理由は何なのか
日本に行きたいと答えた人の1つ目の理由は、「日本には行ってみたい観光地が多くある」と言う物でした。
2つ目の理由は「食事」で、和食が評価されていた事が解ります。世界文化遺産に登録されているので納得です。
3つ目の理由は「清潔さ」だったそうです。確かに日本人は世界でも指折りの清潔さを誇る民族だと思います。
清潔さは日本の誇り
10年前に上海へ赴いた事がありますが、市の郊外にある公衆トイレは、日本人には考えられない状態でした。
大便をするトイレは中央に掘られた溝に人々が跨り、個室の仕切りもない中で、用を足す状態なのです。
また上海の国際空港「浦東国際空港」の中で時折、「痰を吐くな」と言う注意喚起看板が見られたのです。
日本でも昭和40年から50年代前半には、駅のホームに「痰壺」があったので偉そうなことは言えません。
この公衆衛生観念から、日本は中国よりも40年から50年は進化している国情にある事が見て取れます。
評価の具体例
何はともあれ新型コロナウイルス感染が拡大しにくいのは、日本人の清潔を保つ習慣ではないかと考えられました。
まずは欧米諸国と違って、日本は家の中へ靴を脱いで上がり、外部の雑物を持ち込まない家庭環境があります。
手洗いやうがいを励行する生活習慣もウイルス感染を未然に防いでいる可能性が高い行為です。
入浴習慣もそうではないでしょうか。シャワーだけでなく熱い湯を張った浴槽に浸かる国も少ないはずです。
他国から見ると、圧倒的に清潔さを保つ習慣を、ごく普通に励行している日本人とその生活様式が特筆なのでしょう。
評価の根本理由
日本人は自宅内部だけでなく、職場や学校、街など公共の場でさえ、きれいに保とうと考え行動します。
中国人が日本にやってくると「さすが先進国って感じ、街中がきれいで洗練されている」という評価をしていました。
マスクをする習慣、文化がコロナ禍以前からあった事は、アジア地域特有のもので、日本はとりわけ盛んでした。
マスクにも日本人の気遣いが溢れています。自身を感染から守るより、自身が拡散させない目的が大きいからです。
それを認識しながらでもマスク着用率が高いのは、他者や社会全体に対する思いやりの深さが根底にあります。
清潔さの追求
私達の感覚は当たり前のものなので特別に感じる事はありませんが、外国の人々は感じるのですね。
このような評価を受けているからもう十分な水準にあり、これを保って行けば良いと考えていいものでしょうか。
公園のトイレが心無い使われ方をしている、ゴミ箱が溢れかえっている、道に吸い殻が落ちている光景はまだまだ見られます。
公共の場所や施設を、皆それぞれが善良な意識をもって守り、より気持ちよく訪日してもらえるようにしたいものです。
社会のためや皆のためすることでも、このように他者から評価され、回りまわってインバウンド効果につながります。
インバウンド効果が高まると、職場が活気づくので、自分も活気づくようになる相乗効果が生まれます。
まさに「情けは他人の為ならず」ですね。公徳心を持つ事は自分を大切にする行為だという事が良く解かります。